2011年7月28日 中建日報
広島県コンクリート診断士会が発足
コンクリート診断土の技術向上と社会発展への寄与を目指す広島県コンクリート診断士会が発足し、22日に広島市中区の広島工業大学広島校舎で設立総会が開かれた。会には県内診断士298人の約2割となる58人の正会員と賛助会員19社が参加。初代会長には米倉亜州夫氏を選出した。
コンクリート診断士会は、コンクリート構造物の長寿命化を考える有志の集まり。全国で14機関が設立されており、中国地方では鳥取と島根に続いて 3つめとなる。
冒頭で米倉氏は「今から5年後には全国の橋梁の約半数が建設後50年以上が経過した老朽橋になるとされるように、コンクリート構造物の劣化は非常に深刻な状況で、情報交換を通じて技術力を高めていくことが設立の趣旨。今後は定例サロンを開き、色々なテーマを設けて勉強会を開いていく予定としており、大震災の復旧・復興についても色々な面で貢献できるはず。ぜひ多くの方に参加、発言していただき意見交換をしていきたいし、多くの方に入会してほしい」と述べた。
来賓挨拶では日本コンクリート工学会中国支部の佐藤立美支部長が「診断士会が担う実務の分野は調査・研究を主とする我々JCIが最も弱い部分。。コンクリートで何が起こり、どのような対処が有効または禁忌であったなどをデータベース化し、共有していただければ非常に有難い。コンクリートは社会の基盤であり、技術者と研究者、行政が一体となって長寿命化に取り組んでいただければ」と連携を求めたのに続き、日本コンクリート診断士会の小野定副会長、中国地方整備局道路部の川端誠道路保全企画官のほか、広島県・広島市の担当部長らも祝辞を述べ、今後の活躍に期待を込めた。
議事では、設立準備会がまとめた役員案、会則案、事業計画案についての審議が行われ、米倉氏を会長、鈴木智郎氏を副会長とすることを全員一致で承認。事業計画では、研修目的の定例サロンを原則として各週第2水曜日に開催することや、秋に現場見学会を行うことをはじめ、技術力向上や親睦、公共支援に関する事業などを積極的に行っていくことを申し合わせた。
また、総会終了後には同会の顧問・十河茂幸広島工業大学教授による記念講演『コンクリート診断士への期待』のほか、親睦を深めるための懇親会も催された。
役員は次の通り。(敬称略)
会長=米倉亜州夫(広島大学名誉教授・米倉社会インフラ技術研究所) 副会長=鈴木智郎(復建調査設計) 代表理事=岡田繁之(極東興和) 事務局長=徳納武使(福徳技研) 理事=峯松昇司(井上建設) 監事=西村勝彦(戸田建設) 顧問=十河茂幸(広島工業大学)