2011年06月23日 中建日報
「この人」に聞く
広島県コンクリート診断士会 設立発起人 鈴木智郎氏
7月22日には設立総会開催「技術のお土産」持ち帰れる会に
「目指すのは会員に宿題を課すのではなく、毎回『技術のお土産』を持って帰れる会。我々がこれまで培った技術を楽しく伝えられる場にしたい」と意気込みを語るのは、広島県コンクリート診断士会の設立発起人・鈴木智郎氏。7月22日には広島工業大学広島校舎で設立総会が開催されることも決まり、準備や会員加入の呼びかけなどで多忙な日々を送る鈴木氏に設立の経緯や会の目標などを聞いた。
-設立の経緯は。
「コンクリート診断士会は全国の都道府県で14団体、中国地方では島根と鳥取にあり、昨年10月には本部として日本コンクリート診断士会も発足したが、広島にはまだない。これでは技術を育てると同時に若手を育てるという先人としての役目を果たしていないと感じ、仲間と共に声を上げた。広島大学の米倉亜州夫名誉教授にも代表発起人として賛同いただき、5月から数回の準備会を経て設立のメドが立った」
-どのような会にしたいか。
「若手が自由に発言できる技術交流の場にしたいが、発表や発言を義務付けることはしない。それぞれ日々の仕事で忙しいし、何より楽しくないからだ。技術について本音で前向きな話をしていくことは非常にためになるし、一番のお土産になる。個人的な思いではあるものの、他の発起人の方々にも賛同していただけるのではないだろうか。また、会員数については、県内に約300人のコンクリート診断士が登録・活動しているが、当面は20%、最終的には50%以上の加入を目標としたい」
-意気込みと入会希望者へメッセージを。
「診断士は医者で言えば臨床医。しかもオールマイティを求められる。若い人が最初からできるわけはないし、事務所に閉じこもっていては仕事にならない。診断士会では計測診断と現場補修施工の実務の場を提供できる。ぜひ積極的な加入をお願いしたい」
-官庁・業界に対しては。
「診断士会は若手コンクリート診断士の技術力向上の場で、費やした労力や費用は公共施設の長寿命化という形で将来必ず社会に還元されるもの。現場見学会の機会提供や意見交換会への出席などに対し、温かい支援をお願いしたい。また、会としても職員研修の場への講師派遣などには積極的に協力させていただく。うまく利用してほしい」
=鈴木氏の横顔=
昭和50年に京都大学大学院土木工学科を修了し、日本鋼管に入社。主にプラント・橋梁・港湾関連に従事し、平成13年に復建調査設計へ。技術士、コンクリート診断士、土木鋼構造診断士。
趣味は魚釣りとカラオケで、座右の銘は『なんとかなる』。『色々なことがあったが、腐っているのが一番ダメ』と笑う。
昭和25年9月17日生まれ。東京都出身。
なお、診断士会への加入・問い合わせ等はHP(http://www.h-cd.jp/)または設立準備会(電話 082-541-0155)で受け付けている。