広島県コンクリート診断士会 第55回定例会
日 時:2023年10月18日(水) 15:00~17:00
場 所:広島工業大学広島校舎 501号室
参加人数: 27名
15:00 ~15:05 開会挨拶 十河 茂幸 会長
15:05~16:25 特別講演
演題: 「最近の道路メンテナンスの動向」
講師: 高口敏弘氏(中国地方整備局 道路部 道路保全企画官)
16:30~17:00 事務連絡
考察:広島県コンクリート診断士会 第55回定例会の開催
代表 十河茂幸
2023年10月18日(水)15時から、広島県コンクリート診断士会の第55回定例会が広島工業大学広島校舎で開催された。司会は岡田繁之副会長で、特別講演は国土交通省中国地方整備局道路部 道路保全企画官 高口敏弘氏にお願いし、(一社)コンクリートメンテナンス協会と近未来コンクリート研究会の後援で開催することになったことが紹介された。
開会に先駆け、十河茂幸会長から、インフラの維持管理は、喫緊の課題であり、特にコンクリート橋などは予防保全が困難な状況であり、今回の特別講演は大変参考になると思われ、高口様にお願いすることになったとの説明があり、特別講演がはじめられた。
中国地方整備局道路部道路保全企画官の高口敏弘氏は、コンクリート診断士の資格をお持ちであり、難関の資格であることを承知しているとし、120枚もの資料を作成して約100分間の説明をされた。内容の詳細は紹介できないが、おおよそ以下のとおりである。
公共工事の予算は、防災、減災、国土強靭化のため増加はしているものの、防衛費と比較するとインフラの延命化に関する予算はまだ少ない。予算獲得の努力はしている。毎年のように起こる自然災害の現状を考えると、災害復旧老朽化対策は切り離せなく、国土強靭化を推進しなければならない。そのためにはDXの取り組み、またGXも検討しなければならない。
橋梁点検は5年ごとに行われ、今年は2巡目の最後の年に当たり、道路メンテナンス年報(2022年度)が公表された。この結果は、点検は着実に進捗しているが、地方公共団体の修繕が低水準であることがわかる。重要なインフラを優先していることと、人材と予算の不足がそうしている。また、健全度ⅡがⅢにならないようにするための予防保全が欠かせない。予防保全を行うことは一時的に費用負担が増加するが、10年計画で行わなければならない。そのための新技術の活用事例の紹介点検支援性能カタログの活用を推奨され、長大橋はモニタリングに切り替え、小規模橋梁は直接診断をするほか、単独で行うより群として取り組むことも重要である。なお、5年に1回の点検は省令・告示で守らなければならないが、定期点検要領は法律ではないので、技術的助言を反映できる。3巡目に向けた協議を行っているので、提案を期待するとの説明があった。
この特別講演に対して、詳細点検と補修を同時に行うことに対して補助制度が活用できるかとの質問があり、可能と考えるが、実例を挙げて相談してほしいとの回答であった。
最後に、次回は12月13日(水)に開催される予定で、会場が福徳技研ビル3階に変更になったことが紹介され、閉会となった。