2022年8月24日 中建日報
塗替塗装の事故事例と対策披露 49回定例会開く
広島県コンクリート診断士会(十河茂幸会長)の第49回目となる定例会が19日、広島市中区の広島大学広島校舎で開かれ、鋼構造物塗装時に発生する汚染物質対策の専門家集団である大塚刷毛製造が特別講演の講師を担当。事故事例やその対策などを披露した。
十河会長(近未来コンクリート研究会)は冒頭のあいさつで新型コロナ感染予防について注意喚起したのち、「コンクリートと鋼材は切り離せない関係にあり、鋼材塗装の塗替え時の課題に対する知識は診断士にとっても重要だ」と強調した。
特別講演の演題は、「鋼構造物塗替え塗装における事故事例と対策」。講師を担当した大塚刷毛製造の青柳真輔氏は、点検で局部劣化を見逃したために1・5日も水の供給が止まった和歌山県紀ノ川の水管橋破損事故などを例に、塗装塗替えは必要だが、その際の事故も多く発生していることを紹介。
事例として前の塗装を剥離する際に生じる有機溶剤中毒や一酸化炭素中毒、PCB・鉛中毒のほか、火災、熱中症などの事故事例について説明し、未然に防ぐ対策なども提案した。
また、同社が吉原鉄工所と共同研究したマルチメディアブラスト工法についても詳しく解説され、参加者からたくさんの質疑応答が飛び交うなど、盛会のうちに終了した。
なお、次回の定例会は10月11日に開催予定。特別講演として、広島大学工学部の河合研至教授が環境問題についての説明を行うとしている。