2019年2月18日 中建日報
第37回サロン開く
小規模橋の点検要領など解説
広島県コンクリート診断士会(米倉亜洲夫会長)の定例サロン(第37回)が13日、広島市中区で開かれ、同会顧問で近未来コンクリート研究会の十河茂幸代表による『小規模橋梁の点検マニュアル(案)について』などが披露。維持管理の効率化などに対する知識を深めた。
サロンは、会員の技術向上や親睦を目的に2ヶ月に一度開催している勉強会。この日も約30人が出席し、冒頭では米倉会長(米倉社会インフラ技術研究所)が内容への期待を込めてあいさつした。
第1部の講師を担当した十河氏は、橋梁の維持管理の中でも特に予算、人材ともに厳しい状況にあるとされる市町村等管理の小規模橋梁に焦点を当て、「費用をかけない簡易点検マニュアルを確立し、点検結果を診断士が判断すれば小規模橋梁の延命化もできるはず」と持論を展開。要請を受けて作成したという「点検マニュアル(案)」も紹介し、点検士制度の確立及び診断士との連携の必要性なども説いた。
また、第2部では、東京電設サービス地中事業本部の小掠明仁技術部長が『石油樹脂・アクリル樹脂系材料を用いたコンクリート構造物への圧力注入止水工法~STTG工法~』をテーマに講演した。
同工法は、硬化速度が遅く漏水量の多い箇所の補修には不適とされてきた石油樹脂・アクリル樹脂系材料に少量のウレタン材を混合することで硬化速度を速めた工法で、小掠部長は工法のメカニズムや試験結果、施工方法などのほか、東京電力の地中送電用電力洞道、ダム打ち継ぎ部などで多く採用されている実績についても解説した。