2018年04月17日 中建日報
コンクリ診断士会サロン(33回)
広島県コンクリート診断士会(米倉亜州夫会長)の2カ月に一度の定例サロン(第33回)が11日、広島市中区であり、会員約40人が参加。鈴木智郎副会長の豊富な現場経験に基づく橋梁長寿命化の話や、既設構造物にプレストレスを与える新技術「K―PLEX工法」の概要などを熱心に聴講した。
サロンは、会員の技術向上や親睦を目的とした勉強会。定期開催が会員に浸透し、協会活動が活発化するにつれ、参加者も少しずつ増加している。
この日の講義は2部構成で、前半では鈴木副会長(復建調査設計)が『橋梁分野における長寿命化計画と維持管理について』をテーマに、橋梁の定義と種類などの基本事項から国土交通省の老朽化対策、長寿命化の事例などを紹介。 「昔は橋梁の寿命は50年とされたが、50年で寿命を迎えることは稀。しかし、老朽化・劣化して危険な状態となる橋梁が必ず増加してくることも事実だ」とし、「早め早めの健康診断で延命化を図るべき」と結んだ。技術者として現場に出向いて確認することの重要性も説いた。
また、2部の講師を担当した三原孝文氏(極東興和)は、『K―PLEX工法の紹介』と題し、同社が山口大学と共同開発した既設コンクリート構造物へのプレストレスト導入技術について、工法の概要や開発の背景、拡幅・部材追加や内部補強といった適用事例などについても解説。
打継ぎ面プレストレスを導入することによる耐久性の向上、既設構造物に導入できることの経済的メリット、導入に伴う削孔数の削減―などといった特長も示した。