2016年05月17日 中建日報|『平和の灯』調査のボランティア|ドローンなど最新技術駆使 | プレス情報 | 広島県コンクリート診断士会

プレス情報

2016年05月17日 中建日報

『平和の灯』調査のボランティア|ドローンなど最新技術駆使

2016年05月17日 中建日報|「平和の灯」調査のボランティア|ドローンなど最新技術駆使 広島市中区の平和記念公園内にあるコンクリート構造物『平和の灯』の劣化状況調査が12日~14日の3日間、広島県コンクリート診断士会(米倉亜州夫会長)のボランティアによって開かれた。調査では、一般的な打音検査に加えてドローンでの空中計測や赤外線サーモグラフィーなど最新機器を惜しみなく活用。長寿命化に向け、ひび割れや剥落などの状況を調べた。
 『平和の灯』は、昭和39年に平和の灯建設委員会によって建立されたRC造のモニュメント。手首を合わせ、手のひらを大空に広げた形で平和への祈りを表現している。設計を丹下健三氏、施工は大林組が手掛けた。
 過去の調査、補修歴は不明となっているが、調査実施の数日前に設計当時の図面が見つかった。内部は鉄筋束が4本、筋のように入っている「梁・柱・骨組み構造」というべきもので、鉄筋束の隙間は空洞になっている。調査を企画した鈴木智郎副会長(復建調査設計)によれば、「橋脚のように荷重に耐える必要がないため、軽量化を図ったのでは。かなり特殊な構造だが、施工自体はしっかりされている」という。
 調査では、1日あたり約30人の参加会員を5班に分け、ひび割れの計測や浮き箇所の測定、ドローンによる空撮画像撮影、削孔等によるコンクリート品質調査、赤外線調査、鉄筋探査計及びX線による配筋調査、塗膜の調査などを分担して実施。
 「通常業務でも行わない最新技術のフルコース」というほどのものだが、ボランティアのため機材や人員はすべて会員と賛助会員の持ち出し。それでも、コンクリート診断士の世界では技術継承が深刻な問題となっていることから、「様々な技術を取り入れながら調査し、議論できることは我々にとっても大いに価値がある」と鈴木氏は話す。
 今回の調査結果は、8月中旬頃までに報告書としてまとめ、管理者である広島市に提出。今後の予防保全に役立ててもらう予定だ。
Copyright(C) 2011-
広島県コンクリート診断士会
All rights reserved.