プレス情報
2015年9月15日 中建日報
第3回探偵会|慰霊碑など7ヵ所調査|広島県コンクリート診断士会
広島県コンクリート診断士会(米倉亜州夫会長)による「コンクリート探偵会」が9日、広島市内で開催され、会員有志9人による診断チームが米倉会長、鈴木智郎副会長とともに広島平和公園周辺などの7ヵ所の施設を調査。また、同日夕方に開かれ、約30人が参加した第20回定例サロンで調査診断結果を報告した。
「コンクリート探偵会」は、コンクリート診断士の技術向上を目指す同会が有志を募り、「謎解き」と称して市内の構造物を見て回り、その劣化状況や原因、対処方法を明らかにするという企画で、今回で3回目となる。
調査対象となった7施設のうち、5施設が原爆慰霊関連のモニュメントであることから、これらを今後も長期的に維持管理していくための課題の解明が今回のテーマ。中区平和大通りにあり、原爆によって殉職した医師、看護師の慰霊のため昭和35年に建てられた「広島市医師会原爆殉職碑」(通称・祈りの手)の調査では、鈴木副会長が医療関係者の疎開が禁止されていたという原爆投下当時のエピソードを紹介するとともに、碑のあちこちにある補修跡を指摘し、課題を投げかけた。
また、このほかの施設についても個別に調査担当者を決めて順番に見て回り、約2時間をかけて調査した。同会では、これら劣化が目立ち始めた平和モニュメントの管理に対し、「できる限り協力していく」考えという。
案内人を務めた鈴木副会長は、「平和公園の原爆死没者慰霊碑も昭和27年の建設当初はコンクリート製だったものが、60年には御影石に取りかえられている。劣化による更新かは不明だが、コンクリート製でも品質管理と維持管理によって長く保てることを今回のような企画を通じて広めたい」と話していた。