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2013年05月15日 中建日報
米倉氏指導の試験工事視察|ひび一つない仕上がり"すごい"
広島県コンクリート診断士会(米倉亜州夫会長)は10日、米倉会長の技術指導による床版コンクリートの長寿命化試行工事として行われた「広島南道路光南高架橋床版工事」(中区光南)の現場で今年度第1回となる現地研修会を開き、約50人が参加。米合会長が推奨する「良いコンクリート」を視察し、ひび割れ一つない仕上がりに驚きの声を上げた。
コンクリートのひび割れ対策は、構造物の耐久性向上に大きく影響する。今回の試験施工は良いコンクリートを造り、維持・補修コストの低減を図ることを目指して実施されたもので、具体的にはコンクリート配合で水セメント比50%以下、スランプ12cmの「軟らかいが水の比率を落とした」コンクリートとし、一般的に5日程度とされる養生期間を14日に延長。さらに壁高欄の目地間隔を通常の10mから半分の5mに設定するなどして施工した。
研修会の冒頭で米倉会長は「先日、鈴が峰陸橋のコンクリート床版が落下したように同様の劣化はあちこちで起きている。今回の現場は私の以前からの主張を試験施工として取り入れていただいたもので、施工面でも良い工事がされている。ぜひ参考にしてほしい」と挨拶し、広島国道事務所の山本和正建設監督官らが工事概要を説明した。
視察では、米倉会長や施工担当者らが解説を挟みながら全員で橋の上を歩き、床版や壁高欄を触ったり目視するなどして仕上がり状態を確認。
参加者の一人は「普通、多少なりとも入ってしまっているひび割れが全然ない。一見しただけで明らかに違う。すごい」と話したほか、施工を担当した山本監督官も「表面が非常に徹密でなめらか。試験施工をやって良かったと思える紫附らじい仕上がりだ」と感嘆。
米倉会長は「予想以上の出来ばえで、これならミニマムメンチナンスが実現できメンテナンスフリーも可能。まさに100年もつのでは」と太鼓判を押していた。
同工事の概要は鋼5径間連続箱桁橋でコンクリート床版工A2690m
2、床版コンクリートA640m
3、鉄筋166t。工期は14年3月~25年3月。増岡組が施工を担当した。